付喪神(つくもがみ)

付喪神の姿

付喪神はモノや植物、動物などに憑いた霊のことです。「神」と名付けられてはいますが、神ほどの霊力はありません。

付喪神の特徴は「古い」ということです。「付喪」とは元来「九十九」と書きます。つまり九十九年も長く使った(または生きた)という意味が込められています。鳥山石燕の百鬼夜行では、楽器の琵琶や、琴、日用品では傘、臼などの付喪神が書かれています。

植物では古い椿に霊が憑きやすいと言われています。ある寺の樹齢700年を経た椿が、鳴き声を発すると、寺の誰かが亡くなると言われたり、古墳に植えてあった椿が美女の化け、夜光っていたりと、椿に関する付喪神の伝説は各地に多く残っています。

これらは年を経ることで、道具であれば人間の念が、動物であれば自然の精霊、植物はその両方が憑くことにより起こる現象です。現代でも古い絵画を手放したら突然運が開けた、また、家に伝わる能面を大事に手入れしたら金運が上昇したなどという話がありますが、これもまた付喪神なのです。

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