イタコに相談できる電話占いがある

イタコと電話占い

現在のイタコを語るうえで、電話占いを外すことはできません。今、イタコに口寄せや占いをお願いしようとすれば、最も確実な手段がこの電話占いに変わっているからです。占いサイトで人気占い師として活躍するイタコのことを、テレビや雑誌で知った方も多いでしょう。地域に密着し、縄張りの中で生きてきたイタコが、電話占いを通して全国区に広がっていったのはなぜなのでしょうか。これは、時代とメディアの発達にそった自然の流れと言えるでしょう。イタコといえば恐山にいるというイメージが、実は近代に作られたものだということは、別項目でお話しました。それまで、縄張りの家々を歩いていたイタコたちが、昭和の初め辺りから縄張りを越え、お祭りなどでテントを張るイタコマチを形成するようになりました。その流れの中で最大のイタコマチとなったのが、恐山のお祭りのものです。この様子がラジオやテレビで放送されるようになると、「イタコ＝恐山」というイメージが一気に全国に広まりました。全国各地から、口寄せを希望する人々が恐山を目指すようになったのです。

このテレビによる全国区への広がりが第一波だとすると、現在のイタコに電話占いの流行は第二波と言えるでしょう。イタコの名が全国に広まるにつれ、イタコへの需要が高まります。しかし、恐山のお祭り期間は一年のうちのごく限られた期間であり、また、遠方の人にとっては、なかなか訪れることも難しいものです。このような需要に高まりに答えて、通年、誰でも利用できるような形を模索して言った結果が、電話占いなのです。この電話占いは、インターネットの発達によって大いに普及しました。「イタコ＝恐山」のイメージがテレビ時代のものだとすると、インターネットの時代である今は、「イタコ＝電話占い」に変化してきているのです。

このような流れを作り出したのは、ある鑑定所の成功が一役買っています。陸奥のイタコの一人の評判が口コミで広がり、地域を越えて損談者が訪れるため、姉弟子といっしょに小さな鑑定所を開きました。非常に高い霊能力を秘めており、遠方からもポツポツ相談者が増え、やがて全国から相談者が訪れるようになったのです。遠方からの相談者が増えてきたので、電話でも占いや口寄せができないかと試みたところ、電話を通しても対面と変わらず霊能力を発揮できたため、電話による相談を受け付けるようになったのです。そのうわさがさらに広がり、電話での相談が増えたため、本格的に電話占いを受け付けるようになったということです。このように、イタコによる電話占いは時代の流れの中で自然発生したものでしたが、それが非常に人気を博したため、まねをする業者が多数現れました。イタコによる電話占いは一気にメジャーなものとなっていったのです。現在では、イタコによる鑑定所ではなく、一般の電話占いサイトにもイタコを名乗る占い師が多数在籍しています。

イタコによる電話占いが流行り出した当初は、一般の電話占いサイトの業者が、名高いイタコと専属で契約を結ぶため、一種のひっぱりあいもあったと言います。老舗の電話占いサイトには、そのような高名なイタコが在籍し、人気占い師として今も評判を集めています。しかし、イタコも数が限られており、特にしっかりと修行積み、経験豊かなイタコというのはそう多くはいません。従って、残念ながらイタコを名乗るインチキ占い師がいることも確かなのです。どの業者の誰が偽イタコなのかを、はっきりと調べる方法はありません。

ただ、本物のイタコに視てもらうための方法はいくつかあります。1つは、イタコとしての経歴がはっきりと記されている占い師を選ぶことです。電話占いのサイトでは、占い師のプロフィールが記されていたり、音声で紹介されています。そのプロフィールであいまいな表現で経歴がぼかされている占い師は、たとえ人気占い師との表記があっても避けるべきでしょう。プロフィール等である程度しぼってから、口コミや体験談を参考にするとさらに効果的です。口コミや体験談を参考にしてみましょう。

恐山のイタコ鑑定

イタコが恐山の住んでいるというイメージは誤りであることは記しました。しかし、死者の住まう霊山である恐山の風土が、死者の言葉を語るイタコの霊能力に及ぼす影響は計り知れません。とはいえ、現在、恐山大祭などでイタコ鑑定を頼むことは非常に困難なことです。全国からお祭り期間を目指して多くの人が集まります。ときには、バスツアーで押し寄せることもあります。早朝から並んでも、その日のうちに口寄せをしてもらえるかは定かではありません。多数の人が訪れるため、トラブルも多く発生しています。イタコマチを形成するイタコは恐山側からの規則を破ることは厳禁とされていますので、時間になるとぴたりと店じまいを始めます。（恐山の宿坊側が困るので、時間の延長は厳禁とされているのです）

また、かつては一度の口降ろしに1時間以上かかることもありましたが、現在では、より多くの相談者に応えるために、一度の口降ろしが10～15分程度ということもざらにあります。じっくりと相談にのってもらいたい、亡くなった人とゆっくり話をしたいという要望はなかなか満たされないのが現状と言えるでしょう。従って、霊山の雰囲気を感じたい、実際のイタコの口降ろしを自分の目で確かめたいという方は、恐山に赴くことをお勧めします。しかし、じっくりと時間をとって、相談にのってもらいたいという方は、電話占いを利用した方が確実でしょう。電話占いでは予約も可能なので（恐山のイタコマチは予約不可）、確実にイタコにつながります。人気占い師として高名なイタコの口寄せを希望している方は特に、電話占いで予約をすることが最短の近道です。