高度な霊能術「生口」で救われる相談者

生口は高度な霊能術

例えば、妻子のある元カレと別れたというSさんが、イタコに相談したとの例がありました。忘れかけていた彼が離婚をしたと知人から聞いたことを契機に、Sさんはその元カレのことが気になって仕方なくなりました。実際に彼の心を確かめたいというSさんの相談からイタコは自らの身体に元カレの生霊を憑依させてSさんが納得いくまで会話できるようにしました。Sさんは元カレに自分の今の気持ちを伝えると、元カレはSさん以上にSさんを思う気持ちが強かったと言います。元カレは離婚が成立した以上、晴れてSさんに交際を申し込みたいと思っていましたが、思いきることができずにいたのです。「生口」によってそれを知ったSさんは勇気を持って元カレに連絡を取り、今は幸せな交際を続けているそうです。

この高度な霊能術であるイタコの「生口」を初めとする口寄せを行うと、イタコは相当の体力を消耗すると言います。そんな過酷な霊力が衰えないためにも、また次の口寄せに対応できるためにも、普段は人目を避けてひっそりと修業を続けるイタコたちなのです。

そもそも、イタコとして霊術を使えるようになるまでにはかなりの修業が必要なため、現役のイタコの数は減少しています。本物の口寄せの霊術を受けられること自体が、とても貴重になりつつあるのです。

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