地縛霊(じばくれい)

地縛霊

地縛霊はその名のとおり、土地や建物などある決まった場所に取り憑いている霊のことです。しかし、地霊とは違います。地霊は神格を持ち、聖なる土地を守る霊です。家やビルを建てる前に行う神主の地鎮祭は、誰もが一度は見たことがあると思います。地縛霊はそれに比べ、生前に住んでいた家や亡くなった場所、仕事場など未練の残る場所などに取り憑く神格を持たない亡霊です。その特徴から地霊のような広い範囲で祟りを及ぼすことはありません。

しかし、地霊との共通点が一つだけあります。それは、「土地(場所)を侵すものに祟る場合がある」ということです。つまり、霊のテリトリーに入った人間は霊障を受ける可能性があります。地霊は大規模の災害などをもたらしますが、地縛霊の霊障範囲は建物や街の一角、部屋の中などの狭いスペースに限られます。ですから、霊障を受ける人も1人や2人など限られた人数となるのです。霊障の種類は様々ですが、地縛霊は、人間に自分のテリトリーに入らないでほしいという気持ちが強いので、誰もいないのにドアを開け閉めしたり、物を動かしたりとポルターガイスト現象を引き起こします。また、地縛霊自身の姿を表すことによって人間の恐怖心を煽り、出て行かせようとするタイプの霊もあります。それでも効果がない場合は次第にエスカレートし、金縛りを起こす、眠らせないなど人間に様々な害を及ぼすようになるのです。

このような地縛霊の霊障を避ける方法は、そのような場所に近づかない、また入ってしまったのなら出るのが無難ですが、個々の事情によりそうもいかない場合もあります。例えば家を建ててしまったとか、ほかに住む場所がない、仕事場なので持ち場を離れるわけにはいかない、などです。

その場合は除霊が必要になります。地霊と地縛霊の判断を誤ると霊障が増長される恐れもあります。さらに古い地縛霊は時間の経過とともに力が大きくなっているとも考えられますので、自分で見極めることは難しく、危険なのです。霊能者に必ずご相談ください。

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