口寄せ(くちよせ)
口寄せとは、相談者からの依頼に対し、イタコが行なう霊能力の中で、もっとも知られた降霊術のひとつです。未来予知や心情透視を行なうために、神の霊、仏の霊、生き霊、死者の霊などをイタコが呼び出し、その霊体を身に憑依させる方法を口寄せと言います。
神や仏、もちろん相談者の身近な存在や亡くなった身内など、どんな相手でも口寄せができ、イタコは自身に憑依させることができます。もちろん、相手が生きている状態であっても、イタコはその生き霊を本人に気付かせないまま口寄せして憑依させ、隠し事や希望、願望を霊体に話させて真実を暴くといったこともできます。
イタコが行なう口寄せは、ただ霊魂を降ろすだけでなく、口寄せした霊魂の本体(本人)とまったく同じ声、口調、口癖などで話します。霊媒師として熟練の域にある高度な能力を持つイタコが行なう口寄せは、聞く限りでは本人と区別がまったく付かなくなるほどの降霊(憑依)術となります。
口寄せの種類
イタコの口寄せには、降ろす霊体の特徴によっていくつかの種類があります。
- 神口(かみくち) - 神霊や守護霊といった、霊格の高い霊体を降霊する口寄せ術です。
- 仏口(ほとけくち) - 四十九日が過ぎ、成仏した死者の霊体を降霊する口寄せ術です。
- 生口(いきくち) - 生きている人の霊体、つまり生き霊を降霊する口寄せ術です。